Linuxの起動プロセスであるブートローダーの役割とGRUBについて

前回、Linuxの起動プロセスの最初に実行されるBIOS/UEFIについてまとめました。
主な役割として、ハードウェアの初期化（CPU、メモリ、デバイス検出など）を行い、次にブートデバイスを選択するというものでした。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Linuxの起動プロセスで見るBIOS/UEFIって何？

今回は、BIOS/UEFIの次に行われる、ブートローダーの役割についてまとめます。
そもそも、ブートローダーって何？、その役割は？こんな疑問に答えていきます。
また、ブートローダーに使われる「GRUB」についても触れています。

ブートローダーの役割について

Linuxの起動プロセスは、電源を入れてから次の流れで起動します。
1. BIOS/UEFIの実行
2. ブートローダーの起動
3. Linuxカーネルの起動
4. initシステムの起動
5. ターゲット/ランレベルの設定
6. ログインプロンプトの表示

今回は、ブートローダーの起動のについてみていきます。

ブートローダーの役割について

ブートローダー（Bootloader）とは、コンピュータやスマートフォンなどのデバイスが起動する際に、オペレーティングシステム（OS）をロードして実行するための小さなプログラムのことです。
デバイスが電源を入れた直後、ハードウェアが直接実行できる最初のプログラムがブートローダーです。

主な役割として、ハードウェアの初期化とOSのロードがあります。

1. ハードウェアの初期化
　ブートローダーは、メモリやCPUなどのハードウェアを初期化し、OSを実行できる状態にします。

2. OSのロード
ブートローダーはストレージ（例：HDD、SSD、フラッシュメモリ）からOSを読み込み、メモリに展開して実行を開始します。

ブートローダーの種類

ブートローダーには、いくつか種類があります。
まず、PC向けとして、Linuxの「GRUB」、Windowsの「Windows Boot Manager」があります。
次に、スマートフォン向けにもAndroidデバイスやiPhoneに、それぞれ専用のブートローダーがあります。これらは、通常、セキュリティ対策の一環としてロックされています。

GRUBについて

GRUB（グラブ）は、「GRand Unified Bootloader」の略で、主にLinuxやUNIX系オペレーティングシステムで使用されるブートローダーです。
複数のOSをインストールしている場合に、どのOSを起動するか選択したり、起動時の設定をカスタマイズしたりできる強力なツールです。

GRUBのよくあるトラブル

ここで、GRUBのよくあるトラブルをみていきましょう。

1. GRUBの破損（ブートエラー）

GRUBが破損すると、システムが起動できなくなる場合があります。この場合、ライブUSBでシステムを起動し、GRUBを再インストールする必要があります。

2. OSが表示されない

GRUBが他のOSを検出できない場合、sudo update-grubを実行して設定を再生成すると解決することがあります。

GRUBはLinuxの運用において重要な要素であり、システムの柔軟性を高めるためのツールです。